いま、注目を集める研究会がある。わずか2年で約1000人規模へ拡大し、東大新入生の20人に1人が所属する超人気研究会に成長した、「東大金融研究会」だ。創設者は外資系ヘッジファンドに20年在籍し、超一流の投資家として活躍してきた「金融界の鬼才」伊藤潤一氏。地上波をはじめメディアでも注目を集める人物だ。東大金融研究会ではお金の不安から自由になり、真の安定を得るために「自分の頭で考える」ことを重視している。世の中に溢れる情報や他人の声に振り回されず何が正しいのかを自分で判断し、物事を本質的に理解し、論理的に思考を展開することで、自立した幸せな人生を歩むことができるからだ。本連載では、東大金融研究会の教えを1冊に凝縮した初の書籍『東大金融研究会のお金超講義』から抜粋。頭のいい人だけが知っている「お金の教養と人生戦略」を紹介する。

「気づきにくい投資の大チャンス」を見逃さない方法Photo: Adobe Stock

投資チャンスを見つけるための秘訣

異分野と接点を持つことは、大化けするネタをつかむチャンスを増やすことにつながります。

たとえば2020年にコロナ禍が東京を襲った当初、売上が最も伸びたものは何だったと思いますか?

スーパーマーケットやドラッグストアの売上が伸びたとか、一時的にトイレットペーパーの買い占めが起きたといった話であれば、あなたもご存じでしょう。

しかし網羅的に購買データを分析してわかった「最も売上が伸びたもの」は、実はほとんど知られていません。

コロナ禍で売上が最も伸びたもの。それは、「プロテイン」だったのです。

このことを人間が予想するのは、おそらくかなり難しいと思います。

ビッグデータが活用可能になり、網羅的なデータを入手できるようになったからこそわかることです。せっかくこのようなデータが手に入るのであれば、活用しない手はないように思います。

しかし、日本では投資においてデータの活用があまり進んでいません。

そもそも日本の金融業界は、言葉を選ばずに言えば「専門バカ」が多いのです。

投資の手法で王道と言われるのは「ファンダメンタルズ分析」です。

ファンダメンタルズとは「基礎的条件」のことで、株式投資においては売上高や利益などの企業業績や資産、負債などの財務状況などをリサーチし、最終的には人間がそれらのリサーチに基づいて直感的に投資判断をくだします。

データを見ないわけではありませんが、「定性的判断に基づく投資」ということもできます。

一方、投資の手法には「クオンツ分析」もあります。

これは高い数学的技術を活用した分析に基づいて投資判断を行うもので、「定量的判断に基づく投資」と言えます。

従来、ファンダメンタルズ分析とクオンツ分析は完全に「異分野」でした。ファンダメンタルズ分析を行う人たちは最終的に自分の主観を重視しますが、クオンツ分析を担うのはいわば「主観を捨てた人たち」ですから、交わりようがなかったのです。

もちろん、それぞれに専門性を深めるのは悪いことではありません。クオンツ分析の世界は、究めればノーベル賞だって取れるかもしれません。

仕事量や引力を大きくするには「異分野の人を巻き込むこと」がポイントです。

金融の世界の中で「異分野の融合」を考えるなら、ファンダメンタルズ分析とクオンツ分析の融合というのは一考の価値があるように思います。

それは、ファンダメンタルズ分析とクオンツ分析の「隙間」にこそ、付加価値の源泉がひそんでいる可能性があるからです。

たとえばオルタナティブデータの活用でファンダメンタルズ分析とクオンツ分析の人材が協力すれば、先ほどのプロテインの話のようなデータをうまく投資機会につなげられる可能性がぐっと広がるでしょう。

(本原稿は、伊藤潤一著『東大金融研究会のお金超講義 超一流の投資のプロが東大生に教えている「お金の教養と人生戦略」』から一部抜粋・改変したものです)