定年後は「あること」さえ守れば
自由でよい
定年後、仕事も何もせず、どこに出かけるということもなく、家で新聞を読んだり、テレビを観たりしてゴロゴロしているのはよくない、ということはよく言われる。最近では定年退職後に夫が家にいることで妻のストレスが溜まる現象は、「夫源病」とか「主人在宅ストレス症候群」と呼ばれている。うつになることさえあるという。
しかしながら筆者は「家でゴロゴロしていてはいけない」という主張にはどことなく違和感を覚えるのだ。なぜなら、定年退職した後は何をやろうが本人の自由だからだ。筆者は60歳以降もできるだけ働いた方がよいと主張はしているものの、絶対に働かないといけないわけではないし、何か趣味を持たなければならないわけでもない。
ましてや何も用事がないのに、ただ「家にいるとうっとうしいから外に出て行け」というのも乱暴な話だろう。家でのんびり過ごすことの一体どこが悪いのだろう。何もしたいことがなければ家でボーッと過ごしていても一向に構わないのではないか。「定年後が不安だ」という声をよく耳にするが、それは定年後は家に居ちゃいけないなどと言われるから余計、定年を不安に感じるのだ。
筆者は勤めていた会社を定年で退職し、それから8年たつが、定年後、家に居ることが悪いとは決して思わない。定年後は何をしようが自由だ。でもたった一つだけやってはいけないことがある。