仕組み債に関連した
トラブルが増えている
「仕組み債」と呼ばれる金融商品がある。名前から想像すると『債券』のように見える。
『債券』とは償還(満期)が決まっていて、その間、あらかじめ決められた金利が支払われる。償還までの間には金利情勢によって価格が上下することはあるものの、償還時には必ず元本が戻ってくるという性質のものだ。
ところが、この「仕組み債」は少し性格が異なる。一般の社債に比べると少し金利は高いが、一定の条件の下では、大幅に元本が割れて償還されることが起こり得る。
「預金よりも有利にお金を運用したいものの、株式への投資には不安がある」という人に対して金融機関が積極的に売り込んでいるのが、この仕組み債だ。ところが、大きく元本割れをしたことで顧客と金融機関との間のトラブルも増えている。
FINMAC(特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター)の紛争解決手続き事例を見てみると、昨年(2021年)の1年間では、その37.8%が仕組み債及び仕組み債投信によるトラブルだ。
そもそも仕組み債とは一体どんなものなのか?