東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事 Photo:AFP=JIJI

東京五輪・パラリンピック組織委員会(以下、組織委)の高橋治之元理事(78)=電通顧問、元専務=が代表を務めるコンサルタント会社「コモンズ」が、大会スポンサーの紳士服大手AOKIホールディングス(HD)側とコンサル契約を結び、計約4500万円を授受していたことを巡り、東京地検特捜部は7月26日、受託収賄の疑いで高橋元理事の自宅や電通本社など、関係先の家宅捜索に着手した。その後も4日連続で関係先を捜索し、高橋元理事らから事情聴取。世界最大のスポーツイベントに関わる「不透明なカネの流れ」の全容解明を進める。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

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 新聞やテレビは断片情報を続報スタイルでつなぐので、全体像が分かりにくいと思う。特捜部が立件を目指し描いているであろう疑惑の構図を、全国紙社会部デスクの説明を元に、分かりやすく整理しておきたい。

 組織委は2014年4月、大会スポンサーを募集する「専任代理店」に電通を指名。電通が候補企業を募り、組織委マーケティング局(以下、同局)を経由して組織委幹部が決定するシステムが出来上がった。