それをリセッション(景気後退)と呼ぼうが、スタグフレーション、景気減速、一過性の問題と呼ぼうが、28日に発表された4-6月期(第2四半期)の国内総生産(GDP)統計が示す米経済が苦境にあることに変わりはない。これは米国の家庭や企業にとって苦痛であり、経済を取り仕切る民主党にとっては政治的な重荷だ。民主党がそんなことが起きていないふりをしようとするのも無理はない。第2四半期の米実質GDP(国内総生産)は0.9%減と、前期の1.6%減に続きマイナス成長となった。減速は広範囲に及ぶ。個人消費は1%増と、前期の1.8%増から鈍化し、新型コロナウイルスの流行以降で最低の伸びとなった。ウォルマートなど小売業者の最近の業績は、インフレによって家計所得が侵食されていることを示唆しており、この問題は28日の統計に表れている。個人消費支出(PCE)物価指数――米連邦準備制度理事会(FRB)が注視する統計――で見たインフレ率は、今年前半の2四半期いずれも7.1%に達した。下の二つのチャートを見れば、PCE物価指数の上昇トレンドと個人消費支出額の減少を比較することができる。