米政府は、イラン産原油の輸出を支援したとしてアラブ首長国連邦(UAE)に拠点を置く実業家や複数の企業で構成されるネットワークに制裁を検討している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した企業文書や貨物データ、事情に詳しい関係者らによれば、調査対象となっている企業や個人は貨物の出発地を隠蔽(いんぺい)するため、イラクとイランの間の海上で輸送船舶の原油を積み替えて書類を偽造。イラン産原油をイラク産とすることで、欧米諸国によるイラン産原油への制裁を回避している。バイデン政権はイランの核開発プログラムの抑制を狙う一方、国際社会による対ロシア制裁を受けた物価上昇へも対応していることから、制裁回避を狙ったとみられるこれら動きを標的とすることにジレンマも抱えていると事情に詳しい政府当局者らは述べている。