東急電鉄Photo:PIXTA

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の鉄道(私鉄)編だ。

東急電鉄、小田急、京王…私鉄5社の業績は
「経済vsコロナ」の代替指標

鉄道(私鉄)の主要5社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯東急電鉄(東急)の運賃収入
 4月度:前年同月比108.6%(8.6%増)
 5月度:同119.6%(19.6%増)
 6月度:同113.2%(13.2%増)

◯小田急電鉄の運輸収入
 4月度:前年同月比111.1%(11.1%増)
 5月度:同122.6%(22.6%増)
 6月度:同116.0%(16.0%増)

◯京王電鉄の旅客運輸収入
 4月度:前年同月比108.8%(8.8%増)
 5月度:同122.8%(22.8%増)
 6月度:同113.2%(13.2%増)

◯東武鉄道の運輸収入
 4月度:前年同月比109.2%(9.2%増)
 5月度:同119.7%(19.7%増)
 6月度:同114.0%(14.0%増)

◯西武鉄道(西武ホールディングス〈HD〉)の運輸収入
 4月度:前年同月比108.0%(8.0%増)
 5月度:同118.8%(18.8%増)
 6月度:同111.4%(11.4%増)

 今回取り上げた5社の22年6月度の業績に注目すると、前年同月比111.4〜116.0%を記録している。いずれも前年実績を超えており、増収を確保している。

 しかし、6月度の表面的な数値を見ただけでは決して分からないが、5社は今も新型コロナウイルス禍のせいで非常に苦しい状況にある。実は、コロナ前と比べると5社全てが15%超の減収という苦境が今も続いているのだ。業績データを時系列で確認しながら、その実態を深掘りしていこう。