マーケティングリサーチでは
仮に、ゲームタイトルの販売予測に必要なデータをマーケティングリサーチで計量する場合は、どのような手法になるのであろうか。
おそらく、ネットリサーチ会社のパネル等から、ゲームの購入意向者に対して下記のような調査を行うことになるだろう。
1.とびだせケモノの森 はい・いいえ・どちらでもない
2.アクティブ・サッカー2013 はい・いいえ・どちらでもない
3.(その他他社タイトル等) はい・いいえ・どちらでもない
その集計結果、回答者の割合から相対的な人気を推し量る手法で知ることができるだろう。
ユーザから見たメリット、デメリット
さて、リサーチで予測する場合と予測市場を用いる場合とを比較してみよう。ユーザから見ると、リサーチで聞かれることと、予測市場でプレイすることには決定的な差がある。
たとえば、個人的に「とびだせケモノの森」はあまり好みではなく、プレイする予定もないが、周りの友達が前作にはまっていて、次作が大変売れる確信がある場合を考えるとその違いは明白である。リサーチで購入意向があるかどうかを尋ねられれば、「ない」と答えるが、予測市場に参加した場合には、売れることは間違いないと考えていれば、そのような取引を行うことになる。小難しく言えば、そのユーザの持つ情報を、市場を通じて参照することができたということになる。
つまり、この連載を通じて何度か述べたことであるが、リサーチでは一般的に回答者の意向を尋ねるのが基本であるのに対して、予測市場ではより客観的な事実に対する認識を聞くことになるのである。
また、リサーチでは適当な回答でもとにかく回答してあれば、リサーチ会社からポイントが配布される。一方、予測市場では自分の予測が的中した場合に自分のポイントが増えるなどのメリットがあるため、より真剣に取引を行うことが期待できる。結果として、予測市場のほうが正確な予測データが得られることが期待できる。