社員にとっての予測市場

 また、社内の事情はもっと複雑かもしれない。仮に、「アクティブ・サッカー2013」のプロデューサーが当社随一の有名プロデューサーであり、第一制作部の部長を兼ねる人物で、社内でも一目置かれている存在であるとしよう。

 そのような場合に、「アクティブ・サッカー2013」がシリーズ12作目でそろそろマンネリになっているユーザの雰囲気を知る一介の営業担当部員Bさんは、その旨を社内で発言するにはかなり勇気のいる行動にならざるをえない。

 しかし、予測市場で取引内容の匿名性が守られているケースであれば、Bさんは気にせず「アクティブ・サッカー2013」の銘柄を空売りして、ゲーム内での利益を出すかもしれない。そのような社内の見えにくい情報を可視化するのが予測市場のメリットである。

 さて、そのようにされた予測の結果が当たるかどうかは必ずしも定かではない。しかし、予測市場が従来のマーケティングや社内の意思決定に変化をもたらすことはご理解いただけたのではないだろうか。

 実際に予測市場に関心を持っていただいた皆様には、『普通の人たちを予言者に変える「予測市場」という新戦略』を手にとっていただくか、日本経営工学会の予測市場と集合知活用研究会にご参加いただければ、予測市場に関心のある研究者や実務家の知見が得られるだろう。


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