金利が高い時代に契約した個人年金は、今では考えられないほど高い予定利率が約束されている。この「お宝個人年金」のお得度を搾り尽くす裏ワザが二つある。意外と知られていない受給額アップの手法をお伝えしたい。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)
「予定利率5.5%」の個人年金で
保険料の増額に成功!
先日、旧知の知人Aさん(55歳・男性)に数年ぶりに会ったら「深田さんにいい報告がある」とうれしそう。バブル期に契約した予定利率5.5%の「お宝個人年金」を持っていたAさん。その個人年金について「契約時の予定利率のままで保険料を増額できた!」と、私もうれしくなる話を聞けた。
つまりAさんは、個人年金に積み立てる保険料を、今となっては超破格である5.5%の予定利率のまま増やすことができた。その結果、将来受け取れる個人年金が大幅にアップしたというわけだ。
10年前に私が執筆した住宅ローンの本を読み、かなり真剣に見直しに取り組んだ結果、本来65歳に終える予定だったローンを54歳で完済できたそうだ。住宅ローンの毎月返済額の支出がなくなった分、老後資金作りに充てようと思って個人年金の増額プランを考えたという。
その結果、「お宝保険」は一段と「お宝度」が増すことになった。
【Aさんの個人年金の契約内容】
◆商品概要「10年保証付終身年金 逓増型」
・月払い保険料は1万1480円、60歳払い込み満了
・60歳より年金額を生きているかぎり受け取れる「終身タイプ」(10年間の保証期間あり)
・基本年金額は年間50万円、2年目から基本年金額の毎年5%が増額される「逓増型」
◆見直し後
・55歳の誕生月直前に増額し、月払い保険料は16万1710円に
・その結果、基本年金額は2倍の年間100万円。2年目からは基本年金額の5%が毎年増額され、80歳時は200万円、90歳まで生きると250万円になる
お宝保険のお得度をさらに高める方法は二つあるのだが、実はあまり知られていない。今回の記事は1990年代に契約した個人年金保険を持っている人は必読だ。さっそく二つのワザを紹介しよう。