【『世界一受けたい授業』で話題】
四十肩・五十肩の人は絶対やってみて！
フィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一が教える
つらい肩こりを解消する「1分間ストレッチ＆ゆる筋トレ」

「ゴリゴリの肩」「バキバキの背中」「ガチガチの股関節」……若い頃は気にならなかったのに、いつの頃からか、悩まされるようになった体の不調。「肩がこる」というレベルではなく、痛みさえ生じることだってある。それもこれも「年をとったせいだ」と思いがちだけど、ちょっと待った！ それは、まったくの勘違いなのです。
そこで参考にしたいのが、『世界一受けたい授業』（日本テレビ系）、『金スマ』（TBS系）、『体が硬い人のための柔軟講座』（NHK）などで話題のフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏の著書『10年後、後悔しない体のつくり方』（ダイヤモンド社）だ。
本書は、中高年はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも体が若返る秘訣を明かした1冊。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、肩や背中がカチンコチンに硬くなった人が陥りがちな勘違いと柔らかい体をとり戻す方法を解き明かす！
（監修：田畑クリニック院長 田畑尚吾 医師）

四十肩・五十肩を解消しよう

「つり革を持とうと腕を高く上げると痛みが走る」「腕が後ろにまわらない」――整形外科的な異常がないのに、これらの症状があるなら、四十肩・五十肩かもしれません。肩まわりの「骨」「軟骨」「靭帯」「腱」などに炎症が起こっているのです。

正式名称は「肩関節周囲炎」といいます。四十肩・五十肩というと、中高年になれば誰でもなるものと思われがちですが、大半は肩関節と肩甲骨を動かさないことが原因です。これも動的ストレッチで予防・解消が期待できます。

肩関節は、「肩甲骨」の両サイドにある凹みに、腕の「上腕骨」の丸みを帯びた先端がハマり込んだものです。あらゆる関節のなかで、もっとも自由度の高い関節でもあります。

「肩甲骨」と「肩関節」の関係を知っておこう

腕の動きは、必ず肩甲骨の動きをともないます。これを「肩甲上腕リズム」といいます。たとえば、体側に下ろした腕を頭上までまっすぐ上げると、腕は180度回転します。

その際、最初の30度は肩関節のみが回転しますが、それ以降は肩関節と肩甲骨が2：1の割合で回転します。つまり「肩関節130度＋肩甲骨50度」で回転した結果、腕が180度回転するということです。

人体でもっとも自由度の高い肩関節と肩甲骨を動かすために、肩まわりには多くの筋肉が集まっています。なかでも背中側にある肩甲骨は、「上腕骨」と「鎖骨」以外とは接していないため、たくさんの筋肉にサポートされています。

四十肩・五十肩はこうして起こる！

肩関節も肩甲骨も動かさないでいると、これらの筋肉が衰えて硬くなってしまうのです。猫背が常態化すると、肩甲骨は背骨から離れて固定され、動きが悪くなります。

すると、肩甲上腕リズムが乱れて、肩関節の負担が増えてしまいます。

四十肩・五十肩で肩を上げたときに起こる痛みは、肩関節をひねっている「回旋筋群」（肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋など）の腱（ローテーター・カフ）を肩関節が挟んで生じます。

四十肩・五十肩の予防・解消には、肩関節と肩甲骨を動かす動的ストレッチが効きます。さらに、肩関節をひねる「回旋筋群」を筋トレで強化すると、痛みの予防になります。

四十肩・五十肩を軽くするストレッチ＆筋トレ

それでは、四十肩・五十肩を軽くするストレッチ＆筋トレを紹介しましょう。ストレッチはできれば毎日、筋トレは週2、3回やってみてください。

四十肩・五十肩を軽くするストレッチ
[1] 両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、背すじを伸ばす
[2] 左右の肩甲骨を広げるように意識し、両ヒジを曲げて両腕を顔の前でクロスさせる
[3] 両ヒジを肩の高さまで左右に開く
[4] ヒジが肩よりも高く上がるように、両腕を再び顔の前でクロスさせる
[5] 左右の肩甲骨を寄せるように意識し、両ヒジを後ろに引く
――リズミカルに反復する

四十肩・五十肩を軽くする筋トレ
[1] 片手に1.5～2ℓサイズのペットボトル（またはアイロン）を持ち、反対の手をテーブルに添えて上体を股関節から深く前傾させる
[2] 両ヒザを軽くゆるめ、ペットボトルを肩の真下に下げる
[3] ヒジを伸ばしたまま、ペットボトルを前後に軽く10往復振る
[4] 次に左右に軽く10往復振る
[5] 最後に時計まわりに10回、反時計まわりに10回まわす
――左右を替えて同様に

※本稿は、『10年後、後悔しない体のつくり方』より一部を抜粋・編集したものです。本書には、体が若返るメソッドがたくさん掲載されています。ぜひチェックしてみてください！