「いつかコンサル」志望のSIer人材は今すぐ転職!ヘッドハンター断言の訳Photo:PIXTA

SIer(システムインテグレーター)出身者の採用に注力するコンサルティングファームが増えている。背景には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速がある。顧客のニーズに対応するため、デジタルの知見を兼ね備えたSIer出身人材を求めているのだ。SIer出身者がコンサル業界に転職する“うまみ”はどんなところにあるのか。また、SIer出身者はコンサル業界で活躍できるのだろうか。コンサル業界の転職事情・キャリア形成に詳しいヘッドハンターの奥井亮氏が解説する。

コンサルティングファームが
SIer出身者の採用を加速させている理由

 ここ数年、コンサルティングファームはSIer(システムインテグレーター)出身者の採用を加速させています。この背景には、企業の急激なデジタル化があります。

 コロナ禍で急速に進んだ働き方改革は、リモートワーク化や残業時間の削減などが注目されがちですが、それだけでなく、非対面化によるカスタマージャーニーの見直しや事業自体の見直しにも及びます。そして、テクノロジーにより集まったデータを利活用するためのシステム開発や、セキュリティーやコンプライアンス、ガバナンスの再構築など、デジタルを活用して企業全体が大きく変化する、まさにDX(デジタルトランスフォーメーション)のうねりを生んでいるのです。

 企業にとっては、今まで行ったことのない、かつ緊急性も難易度も非常に高い取り組みです。そのため、コンサルティングファームへ依頼するケースがとても多くあります。

 その中で、コンサルティングファームも既存のリソースでは間に合わず、デジタルに知見を持っているSIer出身者の採用を加速させているのです。