米国をはじめとして世界中で利上げが続出し、新型コロナウイルス感染拡大「第7波」も重なる中、意外にも日経平均株価は堅調だ。ほぼ2万8000円まで戻したこの株価の回復は「本物」なのか考えてみよう。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)
意外に堅調な株価
ほぼ2万8000円まで戻す
ロシアのウクライナ侵攻、新型コロナウイルスの流行「第7波」、安倍晋三元首相の非業の死など、経済的な悪材料に事欠かない中で、株価は意外に堅調だ。8月9日火曜日の日経平均株価は2万7999円(端数切捨)とほぼ2万8000円の水準にある。これは昨年末の2万8791円と大きく変わらず、ロシアのウクライナ侵攻の前日(2月23日)の2万6449円をかなり上回っている。
ロシアのウクライナ侵攻がエネルギーや食糧などのインフレにつながり、これを受けた米連邦準備制度理事会(FRB)の急激な金融引き締めを背景に、内外の株式市場は不調である――。そんなイメージをお持ちの方が多いのではないかと推測するのだが、現在の株価の推移は少々意外なのではないだろうか。
株価の回復は今後も続くと見ていいのだろうか。