美術館でサウナ!?
世界初の最新アートサウナに感動
タンペレからバスで約1時間半のマンッタManttaは、毎年夏にアートフェスティバルが開催される芸術の町。19世紀に製紙業でこの町を興したセーラキウス家のアートコレクションを集めたセーラキウスミュージアムが人気です。湖畔に立つ大きな美術館で、19~20世紀の画家の作品が揃うほか、企画展も開催。建物の外には色とりどりの花が咲く美しい庭園が広がり、湖のほとりには石や木を使ったアート作品やインスタレーションが展示されています。
この美術館の敷地内に2022年6月にオープンしたばかりなのが、話題のアートサウナ。美術館の敷地内で入れるサウナは、フィンランドはおろか世界でも初めて! フィンランドのサウナ文化は自然と密接に関わっていることから、湖のほとりに立つ自然豊かなこの美術館と融合させようと考えたのがきっかけなのだとか。サウナのまわりにも自然に溶け込むように石のアートが配されていたり、更衣室へ向かう廊下の奥にもカラフルな絵画が飾ってあったりと、期待が高まります。
一般的なサウナは四角い箱型ですが、こちらのサウナは珍しいラウンド型。オークを放射状に組んだモダンなデザインで、美術館の建築家と同じ方が造ったのだそう。箱型よりもゆっくりと時間をかけて水蒸気が広がるので、そのぶんサウナストーンもたくさん積まれています。温度はやや低めに感じましたが、個人的に高温のサウナが得意ではないので、むしろありがたい。窓からは穏やかな湖が眺められ、ずっと入っていても苦しくない居心地のよさ。木の香りとやさしいロウリュの蒸気に包まれて、完全にリラックスできます。
温まったらサウナを出て、まっすぐに伸びる桟橋から湖へダイブ!太陽の日差しをたっぷりと浴びた湖は冷たすぎず適温で、ほてった体を最高に気持ちのいい状態へと導いてくれます。桟橋の手前には少人数用の温水ジャグジーもあり、まるで日本の温泉のよう。
フィンランド旅行でやってみたいことリストとして、サウナから湖に飛び込む体験を挙げる人は多いと思いますが、その夢はここでかないます! ロケーションといい、デザイン性の高さといい、蒸気のやわらかさや湖の気持ちよさも含めて、大人向けのすばらしいサウナでした。
このミュージアムでもうひとつおすすめしたいのがレストラン。アーティスティックな空間でいただくオリジナリティあふれるメニューはどれも絶品! 食事のためにだけ来てもいいくらいのおいしさです。
ぜひタンペレからひと足延ばしてマンッタを訪れてみてください。
https://serlachius.fi/en/
アクセス:タンペレ駅からミュージアムへのシャトルバスが運行(25ユーロ)
※サウナは2022年7月現在、夏の期間の月曜のみ一般利用可能(10ユーロ)