おすすめポイント
日本人は親切でまじめである。これはしばしば美徳として語られるが、他人を慮りすぎ、まじめすぎるがために、生産性が低いのだとしたら――。反論したい気持ちにもなるが、誰にでも少なからず思い当たる節があるはずだ。シリーズ累計で170万部を突破した本書『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ 決定版』は、ビジネスで「もったいない場面」が起こるのは「日本人らしい美徳」が裏目に出た結果であることが多いと指摘する。まじめであることは大切であるが、まじめであればあるほど生産性が上がるわけではない。むしろ、度が過ぎるとパフォーマンスを落とす原因になりかねないというのだ。まじめにやっているのに成果が上がらないとしたら、トップパフォーマンスを出すためのまじめさのあり方を見直さなければならないのかもしれない。
大人気シリーズの原点である一冊を、令和の時代に合わせて10年ぶりに改訂した「決定版」である本書の中心は、「まじめ」に対する考え方に工夫を加える「1%のコツ」だ。時代に合わせて変わったコツもあれば、10年を経ても変わらなかったテクニックもある。大きく環境が変化する中でも変わらず通用するテクニックこそ、今見直す価値があるといえるだろう。
一つひとつのテクニックは「あたりまえ」とも思えるような小さなものだ。しかし、実践し続けることは簡単ではない。だからこそ、続けられれば大きな変化を生むことが期待できるだろう。働き方の「あたりまえ」を知りたい若手のビジネスパーソンに特におすすめしたい一冊だ。(池田友美)
※本要約は、過去に作成した要約を最新版に合わせて一部再編集したものです。