開成・桜蔭・筑波大駒場・渋谷幕張…。東京・吉祥寺を中心に都内に展開している進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、特にエリート父親層から圧倒的な支持を集めている。本連載では話題の新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』を上梓したVAMOSの代表・富永雄輔氏に、保護者からよく聞かれる質問とその回答を教えてもらった。

「子どもがギフテッドかもしれない」と考える親が絶対に知っておきたいことPhoto: Adobe Stock

大切なのは「まわりの意見を聞かないこと」

Q. わが子がギフテッドかもしれないです。注意すべき点はありますか?

 いちばん大切なのは、「まわりの意見を聞かないこと」です。

 お子さんにある一種の才能があると思ったときに、まわりの人は無意識にその才能をつぶそうとしてしまいます。

 まわりの人には、つぶす意図はないんです。足りないものを伸ばそうと必死になってくれます。しかし、結果的につぶそうとしてしまうんです。

 たとえば、飛びぬけて算数ができる子がいたとします。だけど、その子はコミュニケーション能力が低かった。そうなると、人間は心配になってコミュニケーション能力を上げようとします。

 しかし、その子の算数の力を伸ばしていけば、大人になったときにその才能を活かして、優れたAIを開発したり、不治の病の治療薬を見つけたり、宇宙船を開発したり、すばらしい成果をあげられるかもしれません。

 だから、もし「自分の子に才能があるな」と思ったら親は、その才能で飯を食わそうと固く決意をすることが大事だと思います。

 私は塾講師の仕事の他に、サッカー選手の代理人をしています。

 日本代表クラスの選手を何人も担当しているのですが、「才能を持っている人たちに常識を当てはめるのは無理」だと強く思います。

「飛びぬけた才能がある人」というのは、えてして個性的です。そういう人たちに対しては、そういう人たち向けの関わり方や伝え方があると思います。

 常識をあてはめると、彼らの才能をつぶしてしまうかもしれません。最大限に個性を尊重することが必要だと感じています。

 さて、話を戻しますと、自分の子がギフテッドかもしれないと思ったらいちばん大事なのは、まわりの意見を聞かずに、子どもの才能を信じてあげること。

 そのうえで、必要に応じて環境を用意してあげられたらベストだと思います。