ボストン・コンサルティング「日本拠点新設」の狙い、シンクタンク後進国で得られる3つのメリットPhoto by Akira Yamamoto

米ボストン コンサルティング グループのシンクタンク組織が、日本に新たな拠点を設けることを発表した。コンサルの雄は、なぜ日本で“もうからない”シンクタンク機能を強化することにしたのか。その背景をひもとくと、ボスコンが手中にする「3つのメリット」が見えてきた。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

中国拠点に続き海外2例目
日本でシンクタンク機能強化の裏事情

 コンサルティングファーム大手の米ボストン コンサルティング グループ(BCG)は7月20日、グループのシンクタンク組織である「BCGヘンダーソン研究所(BHI)」の日本拠点を新たに設立することを発表した。

 BHIは2015年設立と、比較的歴史が浅いシンクタンクだ。だが、コンサル業界で鳴らすBCGが母体であるだけにその実力は折り紙付き。20年に米ペンシルベニア大学が調査したシンクタンクランキングでは、営利シンクタンクとして1位を獲得するなど、国際的に高い評価を得ている。その研究テーマは、テクノロジーなどのメガトレンドやマクロ経済の解析といったビジネス上の課題が中心だ。

 BHIの研究員である「フェロー」は、世界各地のBCGオフィスに所在する少数精鋭のメンバーで構成されている。今回のように特定地域の課題を中心に幅広いリサーチを行う役割を担う「地域拠点」としては、今回の日本が、中国拠点に続き世界で2カ所目の設立となる。

 なぜ経済が停滞している日本で、しかもコンサルとは異なる“もうからない”シンクタンク機能を強化したのか。次ページでは、ボスコンが日本拠点新設で手中に収める「三つのメリット」について解説する。