EUの消費エネルギーにおける
ロシアへの依存度(2020年)
ウクライナ戦争の経済的ダメージは欧州において飛び抜けて深刻だ。パイプライン経由の天然ガスを中心に、欧州連合(EU)全体の消費エネルギーの24.4%をロシアからの輸入に依存していることが大きい。このアキレス腱ともいうべきガス供給が、ウクライナ支援へのロシアの対抗措置として例年の7割以上も削減されている。この影響を重くみた当社は7月に2023年のユーロ圏の成長見通しを2.5%から1%へ大幅に引き下げた。
ガス価格急騰は家計の財布を一段と圧迫し、回復の原動力である個人消費を押し下げる。加えて、インフレ高進で欧州中央銀行による金融引締めも一段と必要になる。