信者たちの動きに変化あり
離婚を突きつけられたケースも

 ではこの間、信者たちの動きに変化はあったのか。神真都Qでは、全国47都道府県でLINEのオープンチャットを作り、メンバー間でやり取りするのが特徴だが、このオープンチャットの様子が大きく変わったという。
 
「最盛期は1日何百件とあったオープンチャットのコメントが急激に減っていきました。特に倉岡宏行容疑者が逮捕された後から、一気に動きが鈍りました。なかには彼の逮捕を『不当逮捕だ』と主張する人も一部いましたが、それよりもこの団体から去る人が多かった印象です」(雨宮氏)
 
 また神真都Qでは、警察の正体を「人間に擬態した爬虫類(はちゅうるい)型の宇宙人(レプティリアン)」だと定義しており、それらの弱点は松ヤニだと言っている。そこで、逮捕騒動の際には「松ヤニを持って集合しよう」と意気込む信者もいたが、それで人々が集まるような勢いはすでになかったという。
 
 そのほか、オープンチャットでの印象的なやりとりとして、雨宮氏はこんなエピソードを述べる。
 
「神真都Qに加入していたある主婦の方は、公務員の夫から『公安案件になるような反社組織に加入している人と一緒に暮らすわけにはいかない』と、離婚を突きつけられたようです。その後どうなったかは不明ですが、逮捕騒動以降、こういった問題があちこちで起こっていました」
 
 デモについても、参加者は大幅に減ったようだ。5月から神真都Qではデモを再開したが、全盛期は東京のみで1000人規模、読売新聞の報道では全国6000人規模を誇ったデモが一気に減少した。たとえば川崎のデモでは100人ほどだったという。 
 
 逮捕がきっかけとなり、明らかに風向きが変わったと言える。信者も「そんな過激な活動に参加するつもりではなかった」と考える人が多かったのかもしれない。もともとデモに参加している人の様子を見ると、中高年が仲間作りを目的に参加している節もあり、そこまで過激な行動を期待している人は一部だった。これは、前回記事で雨宮氏が指摘していた通りだ。