陰謀論は、支持を得るための戦略?
動きはまだ油断できず

 では、なぜ参政党はこういった主張を展開するのか。そもそも、党の中心人物である神谷氏とはどんな人物なのか。
 
「神谷氏は2007年に大阪府吹田市議会議員になり、その後も自民党から衆院選に出馬するなど、政治家として長く活動してきました。ただ、2012年以降は落選が続く中で、どうすれば支持を得られるか試行錯誤したのだと思います。そして、支持を得る手段として陰謀論や反ワクチンを活用しようと考えたのではないでしょうか。つまり、戦略的に陰謀論が主張に盛り込まれていると感じています。
 
 事実、以前神谷氏によるネット放送番組を支援しながらたもとを分かった政治評論家の倉山満氏は、神谷氏から『陰謀論、スピリチュアル、ネットワークビジネス、そういうものを許容しないと広がりがない』という発言があったと証言しています」(雨宮氏)
 
 参政党の主張は、端的にいえば既存の政治や仕組みを否定し、自分たちが新しいものを作るというストーリーだ。

「そのストーリーを作るために保守や反グローバリズムに接続した陰謀論や反ワクチン言説を使い、わかりやすく斬新な主張、ポピュリズムを発信しているのでは」と雨宮氏は分析する。
 
 ここ最近の日本を見ると、過激な陰謀論に傾倒する人が増えているのは間違いない。しかし、ダイナミックな主張の裏に、信ぴょう性に乏しい主張や言説が潜んでいることを理解する必要があるだろう。
 
 神真都Qの勢いは鈍ったが、日本の陰謀論に関する動きは依然として活発なまま。これからも、その動向は注視したほうがよさそうだ。