赤本を読む男性Photo:PIXTA

試験に暗記はつきものだが、算数・数学においては注意が必要だ。丸暗記に頼って勉強していると、大学受験で点数を落として損をする。しかし、小学校時代から「ある習慣」を付けるだけで、学力は自然に伸びる。特集『わが子が伸びる!子育て百科』#3では、公式を丸暗記すると大学受験で後悔する理由と、大学受験の数学にも通用する「一生モノの勉強法」について、大手個別指導塾・スクールIEの井上一平氏が徹底解説する。

公式の丸暗記だけでは
大学入試で後悔する

 試験に暗記はつきものです。単語帳に代表されるような暗記帳は、カード式やノート式のものから、最近ではアプリでテストができるものまであります。

 誰もが暗記をして試験に臨むわけですが、歴史の年号や出来事、英単語・熟語とその意味、例文など、暗記する内容は、個人が受ける試験の特徴によって違います。

 それでも全教科に共通するのは「中学や高校での定期試験は範囲が決まっている」ことです。定期試験には、年号や出来事を答えるものや単語の意味を答えるものも多く出題されます。単純な暗記作業だけでもある程度の点数が取れます。

 しかし、大学受験となると状況はガラリと変わります。模試や入試問題では単純な暗記作業では解けない問題の方が増えるため、定期試験ほどには点数が取れなくなるのです。

 多くの受験生が、“過程ごと暗記”する方法に切り替えます。歴史なら出来事の流れを、英語なら例文を暗記するのです。単純な暗記と違うのは、“時代背景や使い方を理解する学習である”点です。

 大学受験に向けて学習を進める段階で「単純な暗記学習」から抜け出せないと、後悔することになります。特に、数学ではその差が顕著です。しかし幼少期に「ある習慣」を身に付けておけば、暗記だけにとらわれず自然と学力を伸ばせるようになります。

 そこで、次のページからは、「公式の丸暗記が大学受験で後悔する理由」と、大学受験でも通用する一生モノの学習法について、具体例を交えながら解説しましょう。