習近平総書記10月16日に開催する第20回共産党大会は、習近平総書記が、従来の慣例を破り、3期目突入をもくろんでいる中で迎えるだけあり、歴史的な党大会になることは間違いない Photo:Kevin Frayer/gettyimages

2重の次元で
歴史的な党大会に

 8月30日、中央政治局が会議を開き、10月16日に第20回共産党大会を開催する旨を発表した。5年に1度の大舞台であるだけでなく、習近平総書記(以下敬称略)が、従来の慣例を破り、3期目突入をもくろんでいる中で迎えるだけあり、歴史的な党大会になることは間違いない。

 加えて、新型コロナウイルスの感染拡大、それに伴うロックダウンと経済の低迷、ナンシー・ペロシ米下院議長による台湾訪問を引き金に緊張が増している米中関係と台湾問題、長期化が予想されるウクライナ情勢など、中国を取り巻く内外の環境は劇的に変化している。二重の次元で歴史的な党大会になるといえる。

 本稿では、ついに日程が「解禁」となり、開幕日まで1カ月半を切った現時点で、党大会に向けて、それを巡って考えるポイントを3つの枠組みで整理しておくことにする。その3つとは、(1)日程、(2)「北戴河会議」、(3)人事である。

「47日前発表、10月16日開幕」に
見え隠れする平静と懸念

 日程に関して検証したいのが、(a)10月16日という開幕日を、47日前の8月30日に発表した経緯、(b)10月16日という開幕日、である。