子育て支援に「所得制限なし」、人口増の明石市の“実験”に見る希望と課題明石市では9年連続で人口が増え、地価が7年連続で上昇し、税収も8年連続で増大している Photo:PIXTA

子ども政策「5つの無料化」
人口や税収増の好循環を実現

 兵庫県明石市の泉房穂市長は、道路拡張工事が進まないことに腹を立てての職員へのパワハラ発言や、赤字決算で納税ゼロの企業の課税情報をツイッターに投稿して議会から「守秘義務違反」を追及されるなど、歯に衣着せぬ発言や物議を醸す言動でも知られる。

 ただ、その率直な物言いやストレートな発言の土台には、「やさしい社会」実現を掲げ、医療や保育、給食など子どもに関する「5つの無料化」などの政策で、人口増や税収増を長年続けてきた市政に対する「確信」があるように思う。

 その根幹にあるのは、行政サービスはすべての人を対象にする普遍主義と、市民の生活ニーズを徹底的に満たすことを第一にする必要主義だ。

 今後の行政サービスや社会の在り方を考える上でカギになる発想だろう。