40代以降の学び直しは「4W1H」の視点が必須、“インプットの罠”には要注意Phpto:PIXTA

人生100年時代を見据えて、ミドル世代のリスキリングや学び直しの必要性が高まっている。ただ、業務外で何をどのように勉強していいのかわからず、一歩を踏み出せなかったり、始めたものの頓挫したりした経験のある人も多いだろう。忙しいミドル世代は、どのようにしてスキルや知識を習得すればいいのか。「GLOBIS学び放題」事業リーダーの鳥潟幸志氏、そして実際に学び直し中の会社員・沢口貴仁氏に、失敗しない勉強法を聞いた。(ライター 村上 敬)

管理職になって
求められるスキルが変わった

「同じ仕事を続けていれば、業務の専門知識は増えます。でも、それで成果を出せるのは30歳まで。部下を持つようになり、このままでは通用しなくなると危機感を覚えました」

 そう打ち明けるのは、企業のコンタクトセンター業務などを代行するBPOサービス会社に勤める沢口貴仁氏(42歳)だ。

 沢口氏は大学浪人中にBPOサービス会社でアルバイトを始め、働きぶりが認められて正社員登用された。以来、同じ会社で働き続け、現在はグループリーダー(課長職)として約400人のスタッフをマネジメントする立場になっている。一見順調に見えるが、自身のスキルについて悩んだ時期もあったという。

「管理職になって求められたのは、業務の専門知識より、組織づくりなどのマネジメントスキルです。また、プレーヤーのころは自分の業務の専門知識さえあればお客さまと対等に話ができましたが、マネジャーになってからは、お客さまの業界の状況や経営課題などを理解していないと同じ土俵に立てなくなりました。同じ会社で働き続けるにしても、もっと汎用的なスキルや知識を身につけないと先はないなと……」

スキルや知識の寿命が
短命化している

 沢口氏は30代で早くも壁にぶつかったが、同じようにリスキリングや学び直しの必要性を感じているミドル世代は多い。

 これまで積み上げてきたスキルや知識が、なぜ限界を迎えているのか。