ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
ザンビアってどんな国?
ザンビはアフリカ南部、標高1000~1350mの高原に位置する内陸国で、大部分が温帯です。国名はザンベジ川にちなんでいます。
ジンバブエとの国境にカリバダムが建造され、そうしてできたカリバ湖は世界最大の人造湖です。この国の電力はこのダムによってまかなわれています。
独立した時は東京オリンピック(1964年)の開催中でした。開会式では北ローデシアとして入場し、閉会式には独立国として新しい国名のプレートで誇らしく入場して、話題になりました。
国内に72もの民族がいるといわれていますが、他の多くのアフリカ諸国と異なり、独立以来、内戦などがなく、平和が保たれています。
世界有数の銅産出量
この国の経済を支えているのは世界有数の産出量を誇る銅です。輸出額の約4分の3を占めています。
20世紀初頭、北部で発見され、今日でもこの地域は、銅を意味するカッパーベルト州と名付けられています。この地域には鉱山都市がいくつも見られます。
採掘された銅は、隣のタンザニアに通じる、長さ約2000kmものタンザン鉄道を通って輸出されています。タンザン鉄道の建設には中国が資金と労働力を提供し、1975年に完成しました。日本の十円玉もこの銅を利用しています。
他にコバルトやニッケルが産出されています。
ザンビア共和国
面積:75.3万㎢ 首都:ルサカ
人口:1907.8万 通貨:ザンビア・クワチャ
言語:英語(公用語)、ニャンジャ語など
宗教:プロテスタント75.3%、カトリック20.2%
隣接:アンゴラ、コンゴ民主共和国、タンザニア、マラウイ、モザンビーク、ジンバブエ、ボツワナ、ナミビア
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)