ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
アンゴラってどんな国?
アンゴラはアフリカ南部に位置し、大西洋に面する国です。北には、コンゴ民主共和国を挟んで、カビンダ州という飛び地があります。
北部は熱帯ですが、南部は温帯です。沿岸部は、寒流のベンゲラ海流の影響で、降水量が少なく、ステップ気候になっています。
アンゴラの旧宗主国はポルトガルで、独立をなかなか認めませんでした。1961年、3つの民族主義組織が「民族解放闘争」を始め、ようやく1975年に独立を達成しました。
ところが、今度はこれらの組織の間で内戦が始まり、大国の利害も絡んで、2002年まで続いてしまいました。地雷が埋設され、その数は数百万発もあるといわれ、開発を妨げています。
アフリカ有数の資源大国
この国の経済を支えているのは石油で、アンゴラはアフリカ第2の産油国となっています。
その大半は、飛び地のカビンダ州に埋蔵されています。コンゴ王国の領域の一部であったところをポルトガルが支配したのです。
石油の採掘後に物価が上がり、首都ルアンダは物価が高いことで知られています。
このほかダイヤモンドなども産出されています。
ルアンダより南の大西洋岸に、ベンゲラという都市があります。ベンゲラからコンゴ民主共和国やザンビアにのびるベンゲラ鉄道があり、内陸部の鉱産資源が運び出されています。
伝統音楽のセンバは、ブラジルに奴隷として渡った先住民に伝えられ、ブラジルのサンバのルーツといわれています。
アンゴラ共和国
面積:124.7万㎢ 首都:ルアンダ
人口:3364.7万 通貨:クワンザ
言語:ポルトガル語(公用語)、バンツー系諸語
宗教:カトリック41.1%、プロテスタント38.1%、無宗教12.3%
隣接:コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、ザンビア、ナミビア
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)