欧州中央銀行(ECB)は8日、近年で最も積極的な金融引き締めに踏み切り、「今後の政策金利の判断は引き続きデータ次第だ」とのお決まりの文言を添えた。だが当局者は、大半のデータを無視しても気に留めていないようだ。クリスティーヌ・ラガルドECB総裁は、ユーロ圏のインフレ率が8月に9.1%に達したことを受け、主要政策金利をゼロから0.75%に引き上げると発表。一方で、経済見通しは下方修正した。多くのアナリストは、ユーロ圏は足元のエネルギー危機によりリセッション(景気後退)入り目前だと考えている。ECBは、インフレ率を押し下げるには米連邦準備制度理事会(FRB)にならって経済成長を犠牲にする必要があると考えている。だが、借り入れコストの上昇がインフレ抑制につながる仕組みについては説明していない。