他人と物理的・心理的な距離が広がり、「1億総孤独」といえる現代。他者に依存せず、「個」として自立するには、どうすればいいのでしょうか。寺田倉庫の経営改革などを果たし、NHK「SWITCHインタビュー達人達」コシノジュンコ氏と対談し話題となった「77歳・伝説の経営者」、中野善壽氏は、「孤独を生きることで、自分の感性を信じ、磨き抜くことができる」と語ります。中野氏は孤児同然の幼少期を過ごし、孤独のなかを生きてきました。しかし、そこで自分の感性を磨き、「個」として自立していきます。社会に出てからは「孤独を武器」に、伊勢丹・鈴屋での新規事業展開や、台湾企業の経営者として数々の実績をあげてきたのです。本連載では、中野氏の新刊『孤独からはじめよう』に掲載されている「他人に依存せず、自立して、素の自分をさらけ出して生きる」51の人生哲学から抜粋。「一人で生きるのが当たり前の時代」に肩肘を貼らず、自分に期待し、颯爽と人生を楽しむ考え方を紹介します。(初出:2022年2月6日)

「ぐっすり眠りたい」ときに「夜8時から30分だけ」やるべき簡単なこととは?【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

上質な睡眠で、英気を養う

「ぐっすり眠りたい」ときに「夜8時から30分だけ」やるべき簡単なこととは?【書籍オンライン編集部セレクション】
中野善壽(なかの・よしひさ)
ACAO SPA & RESORT代表取締役会長・CEO
東方文化支援財団代表理事
寺田倉庫前代表取締役社長兼CEO
1944年生まれ。弘前高校、千葉商科大学卒業後、伊勢丹に入社。1973年、鈴屋に転社、海外事業にも深く携わる。1991年、退社後すぐに台湾に渡る。台湾では、力覇集団百貨店部門代表、遠東集団董事長特別顧問及び亜東百貨COOを歴任。2010年、寺田倉庫に入社、2011年、代表取締役社長兼CEOとなる。2019年に東方文化支援財団を設立し、代表理事に就任。2021年8月、ホテルニューアカオ(ACAO SPA & RESORT)代表取締役会長CEOに就任。著書に『ぜんぶ、すてれば』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『孤独からはじめよう』(ダイヤモンド社)がある。
Photo by Hikita Chisato

感性を研ぎ澄ませた状態を保つためには、上質な睡眠は欠かせません。

「個」は、健康な心身に宿るはずですから。

それも精神論で踏ん張るのではなく、合理的に心身の状態をよくする生活のリズムを保つことが大切。

最近は、急な働き方の変化によって、睡眠のリズムが乱れてしまう人も増えていると聞きます。

自分にとって快適なリズムを決めて、保つ努力をすることをお勧めしたいと思います。

これもあくまで一例ですが、僕の習慣をお話しします。

まず、ぐっすり眠るためには、空腹状態になっていることが条件になります。

お腹に食べ物が入った状態で眠りに入ると、寝ている間まで胃腸を働かせねばならず、体が休まりません。

僕はもともと少食ではありますが、夜は極力控えめに。

寝床につく頃には胃を空っぽにしていたいので、日が暮れる前には食べ終わっていたい。

夕方の六時ごろには食べ終えていたいというのが理想です。

会食もかなり早めに設定するので、よく驚かれます。

ちなみに、お酒は一切飲みません。

だから晩酌もなければ、居酒屋で愚痴を言い合う付き合いもありません。

四六時中、しらふで過ごし、アルコールがなくても十分に、適度な人付き合いを楽しんでいます。