Photo:IBM
量子コンピューターの実用化がまた一歩近づいた。米IBMは7月30日、量子コンピューターがスーパーコンピューターを超える「量子優位性」を実証したと発表した。研究成果には、理化学研究所のスパコン「富岳」を用いた検証もある。特集『「ポストAI」へ投資バトル 熱狂!量子覇権』の本稿では、IBMの最新の研究成果を速報解説する。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
IBMの量子コンピューターが「富岳」超え!?
量子優位性の時代に突入
量子コンピューターで、スーパーコンピューター「富岳」にも出来ない計算ができたーー。
米IBMは7月30日、量子コンピューターがスパコンを超える「量子優位性」を実証したと発表した。
量子コンピューターの性能を巡っては2019年秋に米グーグルが、当時の最先端のスパコンで約1万年かかる計算を、量子コンピューターならば約200秒で解けたとする「量子超越」を達成したと発表した。ただし、この時に解いたのは、量子コンピューターに有利なように設計された問題で、実社会で役立つものではなかった。
また、グーグルは25年10月、分子の構造や動きの検証にも応用が可能な「量子エコー」と名付けたアルゴリズムについて、量子コンピューターがスパコンよりも1万3000倍速く計算できたと発表している。
今回IBMは、量子コンピューターを使うことで、スパコンよりも「速い」もしくは「安い」もしくは「正確に」計算できることを量子優位性と定義。そして、量子コンピューターの出した計算結果が正しいと検証・確認できることを条件とした。
その上で、量子コンピューターを用いた計算が、スパコンの計算の限界を超え、3つの異なる問題で「信頼できる検証可能な結果」を示すことができたという。そして発表内容の一つには、理化学研究所のスパコン富岳が検証に使われている。次ページでは、IBMの最新の研究成果について深掘りする。







