コロワイド、ワタミ…原材料・物流費の高騰と円安による「三重苦」の深刻実態Photo:DIAMOND

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はコロワイド、ワタミ、大庄の「居酒屋」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

3社そろって約3~4割増収
一見好調な居酒屋業界だが…

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下の居酒屋業界3社。対象期間は2022年3~6月の直近四半期(大庄は22年3~5月期、その他2社は22年4~6月期)としている。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・コロワイド
 増収率:30.4%(四半期の売上収益513億円)
・ワタミ
 増収率:27.6%(四半期の売上高178億円)
・大庄
 増収率:46.7%(四半期の売上高96億円)

※大庄は22年8月期第1四半期から収益認識に関する会計方針の変更を行っており、この変更を前年同期に遡及適用している。

 居酒屋業界3社は、いずれも前年同期比で2桁増収だった。中でも大庄は4割超の大幅増収だ。

 新型コロナウイルス感染拡大が長引く中、一見すると売り上げを立て直している各社だが、「コロナ前」の水準と比較するとどこまで回復しているのか。

 また、原材料価格の高騰、急激な円安、物流費上昇の「三重苦」が襲い掛かる中、利益面はどのような状況にあるのか。

 次ページでは、時系列データを踏まえて詳しく解説する。