肥満の男性写真はイメージです Photo:PIXTA

年に一度の健康診断で肥満と診断され、改善したいと思いつつも何もしていない……という中高年も少なくないだろう。もしもそのまま、何もアクションを起こさずに年を重ねてしまうと、寝たきり生活の要因になる「サルコペニア肥満」という肥満体形になってしまうという。サルコペニア肥満とはどのような状態なのか、専門家に話を聞いた。(清談社 真島加代)

筋肉減少と肥満が招く
サルコペニア肥満

 中年太りも板についてきた40~50代のビジネスパーソン。肥満体形は気になるけれど、なかなか運動する気が起きない。そんな生活を送っていると、生活習慣病や認知症を招く“サルコペニア肥満”になってしまうという。

「サルコペニア肥満は、加齢によって筋肉量が減り、力も落ちていく現象を指す“サルコペニア”と、体脂肪が多い体形を示す“肥満”を掛け合わせた状態です」

 そう話すのは、サルコペニア肥満の研究をしている筑波大学体育系スマートウエルネスシティ政策開発研究センター准教授・田邉解氏。あまり耳なじみがない「サルコペニア」という言葉だが、ギリシャ語で筋肉を指す「サルコ」と、減少を意味する「ペニア」を掛け合わせた造語だという。