褒められる男性写真はイメージです Photo:PIXTA

個人と組織、どちらを優先するか?
5つのタイプに分類

 誰にでも心当たりがあるだろうが、組織の中には必ず過大評価される人がいるものだ。そういう人が自分の活動領域や至近距離にいて、自分の成果を横取りされて苦々しく思う人や、利害関係がなかったとしても見ているだけで「義憤を感じる」という人もいると思う。自分の仕事の邪魔をされなければ、特に気にならないという人もいるだろう。

 今回は組織にいる人間を「個人と組織のうちどちらを優先するか」という視点で典型的な5タイプに分け、過大評価される人の特性について考えてみたい。

 まず、(1)の自己の貢献第一主義者である。このタイプは自分の仕事や仕事を通じた成果への貢献に誇りを持っている。ただし、仕事ぶりは部分最適になりがちで、協調性に欠けるきらいがある。(1)はこれまでその努力と実際の貢献にもかかわらず、変人か専門バカのように扱われてきた。従来の日本の組織では過小評価されてきたが、最近はユニークさを求める時代になり、その風潮も変化しつつある。とはいえ、組織が(1)を生かす技術をまだ持っておらず、「こういう人を生かすべき」との「べき論」にとどまっている。

(2)(3)は組織の成果を重視する。(2)の組織維持第一主義者は昭和の頃の日本組織における一般的な企業人の姿で、過去、最も高く評価されてきた。組織とチームワークを重んじ、組織の成果のために自己犠牲もいとわない。しかし、保守的で現状維持を好み、イノベーティブな働きをしないので、変動期の昨今は相対的に価値を低く見積もられ、過小評価されている。ただ、本当に組織の成果のために動ける人というのは素晴らしい。いざというときに頼りになるし、逃げない(ただし、多くの人は〈2〉のふりをしているだけで、実際には上司の顔色しか見ていない後述の〈4〉だったりする)。