コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はソニーグループ、パナソニック ホールディングス、シャープの「総合電機」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
ソニー、パナソニックが増収
シャープは8%超の減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の総合電機業界3社。対象期間は2022年2~6月期(3社の対象期間はいずれも22年4~6月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・ソニーグループ
増収率:2.4%(四半期の売上高及び金融ビジネス収入2兆3115億円)
・パナソニック ホールディングス
増収率:10.1%(四半期の売上高1兆9739億円)
・シャープ
増収率:マイナス8.1%(四半期の売上高5622億円)
※シャープは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて増収率はその前後で連続性を持たせている。
総合電機業界の主要企業3社は、ソニーとパナソニック ホールディングスが前年同期比で増収、シャープは減収となった。
シャープは22年3月期第4四半期から2四半期連続で減収となっている。シャープが不調なのはなぜか。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、シャープの減収要因について解説する。