帰宅したら机に向かって勉強する。本を読む。毎日ピアノの練習をする……頑張れる、努力ができるというのも一つの才能です。日々の努力を続けられない人は「意志が弱いからだ」と思いがちですが、実は、努力を継続するためには、意志の力よりももっと大切なものがあるのです。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)
うまくいかなかったときの対処法も考えておく
何でもそうだが、頑張れば必ずうまくいくというわけではない。頑張って勉強したのに良い成績にならない。頑張って練習したのに試合で勝てない。頑張って練習したのにコンクールの予選を通過できない。だからといってやる気をなくしていたら、何をしても力をつけることはできない。
そこで大切なのは、達成感や爽快感、充実感、成長感などに目を向けるように導くことである。結果にとらわれていると、試験でうまくいかなかったり、結構できたはずなのに成績が思ったほど良くなかったりすると、どうしてもモチベーションは下がってしまう。そうすると、さらに成績が低下するといった悪循環に陥っていく。
試験の準備勉強を一所懸命やった、とりあえずできることはやった、やりきったという達成感や爽快感、充実感、それによって力がついている、前はわからなかったことがわかるようになった、できなかったことができるようになったという成長感に目を向ければ、結果はどうであれ、納得でき、モチベーションを高く維持することができる。