2018年にサウジアラビアの反体制派記者ジャマル・カショギ氏が殺害された事件を巡り米情報当局がまとめた報告書について、米政府の諮問委員会が全文開示を進言したにもかかわらず、ジョー・バイデン大統領はそれに応じていない。事情に詳しい複数の関係者の証言や文書から明らかになった。米国家安全保障会議(NSC)とホワイトハウスの報道官は、政府諮問委である公益機密解除委員会による進言や、機密指定を解除していない理由についてコメントを控えた。ホワイトハウスは21年2月、サウジアラビアの事実上の指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子がカショギ氏の殺害につながる作戦を指示したと結論付けた報告書の開示を認めた。これを受けて財務省と国務省はサウジの複数の治安当局者に制裁や移動制限を課したが、ムハンマド皇太子を直接標的にすることはなかった。