中央政府が提唱する「コロナゼロ化」政策を順守したい香港政府官吏と、医療現場との対立がここまでハッキリと明らかになったのは初めてだった。だが政府はその後、急きょ「0+3」を決定し、政府の財政長官はさっさと、「0+0」への展望を語り始めている。

 いったい世論をねじ曲げようとしていたのは誰だったのだろう?

 その一方で、中国では貴州の事故が大きな議論を引き起こし、担当責任者の処分が発表され、副市長が記者会見で謝罪してみせた翌日も、「移送バスがマンションにやってきた」と写真がSNSにアップされていた。つまり「夜間の強制郊外移送」自体は決して反省されていないことも明らかになった。

「コロナで死んだのは何人だ? 政府は中国の対コロナ措置は科学的で、世界で最も優れていると喧伝(けんでん)するが、政府が発表したコロナ死者数の陰で、どれだけの人たちが非コロナで死に追いやられた? いいかげんにしろ! コロナゼロ化政策に反対すべきだ! はやく鎖国を解くべきだ!」

 あるジャーナリストがSNSにこう書き込んだ。しかし、書き込みはあっという間に削除され、そうなることを事前に察知した人たちが残した画面キャプチャがぐるぐるとシェアされ続けている。