『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

人生のどん底にいるとき、最優先で読むといい本Photo: Adobe Stock

[質問]
 仕事も見つからずやりたいこともなく疲弊してしまいました。明らかに人生がどん底の状態なのですが、こんな時何をしたら現状よりもマシになるでしょうか。またこんなときに読んだら良い本などありますか。

実存的危機の場合は、学ぶしかありません

[読書猿の回答]
 どん底ならば定義により何をしてもこれ以上は悪くならないので何をやってもよい訳ですが、現実の窮状は実のところ底なしであり、いくらでも悪くなる可能性があります。

 住と食に欠き、生存が危ぶまれるなら、躊躇せず生活保護など公共サービスを利用してください。命あっての物種です。生活困難者自立支援制度というものもあります。

「人生の先が見えない」などの実存的危機の場合は、学ぶしかありません。とりあえず山本弘の『詩羽のいる街』と、この中で詩羽さんがお勧めしている幸田露伴の『番茶會談』を読んでみてください。