多くの米国人は、新型コロナウイルス感染症はもう済んだことだと考えている。だが、コロナはまだ終わっていない。週に数日は出社するなど、「通常」のように見える活動をする人が増えてきたことで、気にかけておきにくくなった。だが、米国経済、特に雇用市場を考える場合、このことを念頭に置いておくことが必要だ。新型コロナが現時点でどの程度流行しているのか、見極めるのは難しい。7月以降、1日の感染報告数は減少しており、感染力の強いオミクロン変異株の派生型「BA.5」の流行のピークは過ぎたと考えられる。しかし、多くの人が家庭用検査を利用しており、症状があっても自宅療養をするだけであるため、検査機関で確定されたコロナ患者数は、感染者数の正確な指標にはならない。たとえば、ボストン地区の下水データからは、過去1カ月間にウイルスの濃度が急激に上昇したことが示されているが、感染者数はほぼ横ばいだ。