リチウムの価格が高騰している。だがバッテリー金属の全てがそうとは限らない。ニッケル価格はロシアのウクライナ侵攻を受けて一時大きく値上がりしたものの、欧州エネルギー危機と忍び寄るリセッション(景気後退)の次の餌食となりそうだ。ロンドン金属取引所(LME)のニッケル3カ月先物は足元、1トン=2万2782ドルと、4月の3万4000ドル近辺から下落している。ニッケルはステンレス鋼やバッテリーに使用される金属だが、3月にはショートスクイーズ(踏み上げ)で先物価格が一時、日中最高値となる10万ドル近辺まで急騰していた。今後はさらなる痛みが訪れることになるかもしれない。ゴールドマン・サックスは、相場が向こう数カ月で1万6000ドル程度まで下がる可能性があると予想している。