習近平氏が中国共産党総書記として3期目入りすることは確実視されており、それは台湾の併合を目指す党の歩みにとって重要な節目となる。このことは米国の投資家に重大なリスクを生み出すが、多くは見過ごされてきた。習氏は台湾の再統一について、同氏が主導する国家復興構想の柱の1つで、極めて重要な国家目標だと明言している。それはまた、習氏個人のレガシー(政治的遺産)にとっても重要だ。習氏が自身の権力掌握を脅かす可能性のある国際的な反発を恐れていたとみられる中、3期目を確実にする必要から、同氏の野心は抑制されてきた。今月以降、習氏の計算は変わるかもしれない。台湾を併合すれば、習氏は支配的地位を行使し、関心を中国の国内問題から移行することが可能になるかもしれない、2024年5月に台湾で、あるいは2025年1月に米国で、より強硬な主張の総統と大統領が誕生するリスクを考慮すれば、習氏はじっとしていないかもしれない。中国政府の最近のレトリックはこの仮説と一致している。