中央銀行が体裁を気にして物事を壊すのを見ると不安になる。これはまた、債券市場の一角がこれ以上は悪化しないという兆しかもしれない。英イングランド銀行(中央銀行)のアンドリュー・ベイリー総裁は11日、年金基金に「あと3日」で流動性問題を解決するよう迫った。これを受けて、ポンドはユーロに対して1%下落した。12日の取引が始まると、ポンド売りはやや失速した。イングランド銀行が銀行関係者に対し、国債買い入れを延長する可能性があると非公式に伝えたとする英紙フィナンシャル・タイムズの報道がきっかけだった。長期英国債に対する売り圧力は続き、イングランド銀行がこの報道を否定した後はさらに売りが加速した。イングランド銀行が、9月に650億ポンド(約10兆6000億円)の長期国債一時買い入れを発表した後に取った行動の大半は理解しがたい。この買い入れ自体は、英政府による超拡張的なミニ予算案の発表を受けた英国債市場の混乱を鎮めるために必要な措置だった。