日本フードデリバリーサービス協会から要望書を手渡された斉藤鉄夫国交大臣日本フードデリバリーサービス協会から斉藤鉄夫国交大臣(右から4人目)に要望書が手渡された 写真提供:カーゴニュース
*本記事はカーゴニュースからの転載です。

黒ナンバーが必要、「構造変更」は不要に

 国土交通省は10月中旬以降をメドに軽乗用車による貨物運送を“解禁”する。これまで軽自動車で貨物運送事業を行うには軽トラックを使用することが原則だったが、今後は軽乗用車で貨物運送事業を開始できるよう“規制緩和”する。労働力不足を背景にラストワンマイル配送の担い手確保が期待される一方、配送を請け負う個人事業主が急増し、運賃の下げ圧力となることを懸念する声もある。

 政府は6月7日に閣議決定した「規制改革実施計画」で、eコマースの拡大を背景にラストワンマイルの配送需要が増大する一方、配送業務の担い手確保が大きな課題だと指摘。貨物軽自動車運送事業で使用できる車両が軽トラックに限られている現行の運用について、軽乗用車を事業用途で使用できるよう、できるだけ早く必要な措置を講ずるよう示した。

 国交省はこれを受け、貨物軽自動車運送事業の経営届出の受理の際の運用を変更することで対応することを決め、これまで必要としてきた後部座席の取り外しなしでも事業用に使えるようにする。

 軽トラックを使用した一般的な貨物運送事業を経営するには営業所を管轄する運輸支局に届出が必要で、この制度そのものは変わらない。国交省の関係者は「乗用車のオーナーがそのまま有償貨物運送を行えるわけではない。管轄する運輸支局に届出を行った後、あくまでも事業者として軽貨物運送を始めることになる」と注意を促す。