「冷蔵倉庫ひっ迫」の物流裏事情、背景に円安継続を見据えた買い置きも写真はイメージです Photo:PIXTA
*本記事はカーゴニュースからの転載です。

チリ産銀鮭の搬入で、年末に向けてひっ迫感強まる

 大都市圏を中心に冷蔵倉庫がひっ迫している。北米からのコンテナ輸送が正常に戻りつつあることに加え、ロックダウン解除後の中国からの輸入が増加。円安やウクライナ情勢など不透明感が強まる中で、畜肉中心とした輸入者の「買い置き」や在庫の積み増しもみられる。

 一方で、物価高やコロナ禍の継続で需要は伸びず、出庫は鈍化。あらゆる要素が重なって冷蔵倉庫の在庫水準を押し上げている。まもなく主力商材のチリ産銀ざけ(チリ銀)の搬入が本格化し、年末に向けてひっ迫感はますます強まる見通しだ。

「7月初旬頃から保管スペースが足りなくなり、通路まで使っている状態だ。ほぼ毎日のように再保管の相談があるが、他社の荷物を預かる余裕はなくお断りしている。近隣の冷蔵倉庫も同じような環境で、年内はこうした状況が続きそうだ」――。京浜地区の冷蔵倉庫の関係者はこう打ち明ける。