2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの神様Photo: Adobe Stock

ガンが自然治癒した人の共通点

 末期ガンが自然治癒した人の共通点は、「ガンになってよかった」と心から感謝していたこと

 新聞でも取り上げられましたが、末期ガンの患者だけを集めて、富士登山を行った医師グループがあります。

 医師の中に、昇幹夫先生という方がいらっしゃいます。昇先生は、「日本笑い学会」の副会長でもあり、ガン治療に「笑いの効用」を取り入れています。

 昇先生のお話によると、手の施しようがなくなった末期ガン患者の中に、自然治癒する人がいるそうです。

 そして、自然治癒した人たちには、人格上の共通項があるということでした。それは、

ガンになる前よりも、ガンになってからのほうが、ずっと幸せだった」

と思っていたことです。

ガンになって人生が変わった

 ガン患者だけの富士登山に、70代の女性が参加していたそうです。

 その女性は、「ガンになったから、よき仲間と助け合いながら富士山に登ることができた。70歳を過ぎて富士山に登るなんて思わなかった。ガンにならなかったら登らなかっただろうし、ましてや70歳を過ぎてからなんて、考えられなかった」と話していたそうです。

 それから4、5年がたち、その女性は、ガン患者とともに、標高・約4810mのモンブラン(ヨーロッパ)に登ることになりました。

 そして帰国後、昇先生のところに、この方から、次のような手紙が届いたそうです。

「70歳を過ぎてヨーロッパに行くことは考えられなかったし、ましてモンブランに登ることなど、思いもよらなかった。ガンになって、本当によかった。ガンにならなければ、富士山に登ることも、モンブランも知らなかった。こんなにすばらしい仲間と知り合うこともなかった。ガンになって本当によかった。ガン細胞に心から感謝しています」

 この女性は、その後、元気に暮らしているそうです。

「受け入れる」ための訓練

 わが家の長女は知的障害を持っているので、同様の障害を持つグループと交流があり、最近、不思議なことがわかりました。

 知的障害を持つ人の中で、ガンになる人は少ない、ということです。

 その理由は、おそらく、「ストレスを感じることが少ない」からでしょう。

 ストレスはガン細胞を活性化させる要因のひとつですから、ストレスを受け流すやわらかさを持っている人は、ガンになる可能性が低くなると考えることができます。

 講演会で、「ガン患者の中には、ガン細胞がなくなる人がいるようだ」という話をしたあと、このような質問をいただいたことがあります。

「私の友人で、小林さんの本を読んで心穏やかになった人がいます。ですがその人のガンは治らずに、亡くなってしまいました。いい人だったのに、どうしてこのような不幸が起きるのでしょうか?」

 よいか、悪いかの問題ではありません。

なんで私がガンになったのか」と嘆いている間は、「死に向かって一直線に全力疾走している」ことを覚えておいてください。

「私は悪いことをしてこなかったのに、なんで病気になったのか。どうしてこんなにひどい目に遭わなくてはいけないのか」と、その現象を否定した瞬間に、全速力で死に向かって走り出すように思います。

 なぜ、その病気になったのか。

 それは、「受け入れる(感謝する)」ための訓練なのかもしれません。命をかけて、その訓練をしている、と解釈することもできそうです。

 だから、ガンになったことに「感謝」できるようになったとき、神様は「もう訓練の必要はありません」と、その人からガン細胞を取り除いてくれるのかもしれません。