今年、西側の経済制裁によってロシア自動車産業は何の前触れもなく停止した。再始動した自動車産業はより規模が小さく、技術的に後退し、孤立を深めたものとなっている。この状況は、制裁に苦しむロシア経済の他の部分に、今後どのような事態が待ち受けているかを予見させるものだ。ロシアのウクライナ侵攻開始からほんの数週間で、西側自動車メーカーの大半はロシア事業の縮小を決めた。制裁によって部品供給は途絶し、ロシアの自動車工場は次々に稼働を停止した。5月には自動車生産が前年比97%減となった。ロシアの一部の工場はすでに再開しており、地元経営者が引き継いだところもある。ロシアの代表的な「ラーダ」ブランドの乗用車を生産する自動車大手アフトワズは、来年の生産台数見通しを50万台と発表。2021年は40万台近くを販売したという。