高額物件ほど値下がりせず
あなたの子どもも裕福に

 住宅ローンに話を戻そう。当然のことながら、住宅ローンの利用は「借金をする」ことと同じだ。借金(借入金)という字面から、心理的に負担を感じたり、返せるか不安になったりする人は多い。

 しかし、年収の25%相当のローン返済額で滞納した人はほぼいないのが統計上明らかになっている。

 また、日本の高齢者の持ち家率は8割を超えている。誰でも家を購入し、住宅ローンを返済してきた証拠でもあるのだ。

 先ほども述べたが、今は超低金利の時代である。住宅ローンもマイナス金利になっている状況下では、借入額を多くし、なるべく返さない方が得である。年末残高が多い方が、住宅ローン控除の還付金も増えるからだ。

 借りたら得をする「逆転現象」が起きているマイナス金利下で、ローンを繰り上げて返済すると、逆に損をするのは自明である。

 今はそうした条件をフル活用し、資産価値の下がりにくい高額物件を狙うことを勧めたい。都心・駅近などの条件を兼ね備えた、誰もが欲しいと思う高額物件ほど値下がりしにくい特徴があり、あなたの子どもに相続する際に効いてくるのだ。

 同じ1億円の物件でも、毎年の値下がり率が1%違えば、売却価格が毎年100万円変わる。10年後の売却時には1000万円の差になり、50年後の相続時には資産の残り方が5000万円違うことになる。

 これまで述べてきたことをまとめると、もしあなたが結婚している場合、マイホームの購入においては、下記の3点が最も効率的である。

・今の年収で借りられる最大限の住宅ローンをペアローンで組む。
・両方の親から最大限の贈与と借り入れを行う。
・その上で、都心・駅近などの条件を兼ね備えた高額物件を買う。

  これらのポイントを押さえれば、親からの贈与を最大限運用しつつ、自分たちはいい物件に住むことができる。子どもたちにも、最も高額な資産を残せる。

「親子3代で裕福に暮らす」という夢は、資金繰りを工夫し、資産性のあるマンションを買うことで実現できるのだ。