東京都港区芝浦エリア写真はイメージです Photo:PIXTA

最近、(1億円を超える)億ションが売れているという記事をよく目にするようになった。だが、億ションは購入できても、売却するのが難しい。損をしない物件を選ぶための3つの要件とは。(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)

売れていることに
浮かれるデベは少ない

「億ションが飛ぶように売れる」と言った記事やコラムが多いが、浮かれて億ションを買っては大損をすることになる。新築マンションの億ション供給戸数は2021年2760戸で、2020年の1818戸より5割以上増えた。しかし、その前の5年間は相場が上昇したにもかかわらず、億ションの供給戸数は8%しか増えていない。

 デベロッパーがこの様に明らかな慎重姿勢になるのは、億ションを買える人は限られているし、億ションは立地が限定されるため、一定期間で売り損ねると売れ残る可能性が高いことを長年の経験で知っているからだ。

 デベロッパーは1戸でも売れ残ると販売センターを閉められず、コストがかさみ、集客が難しくなり、値引きで大損を出すことになる。売れ残りは財務諸表に販売用不動産(売り物)としていつまでも置いておくことはできず、固定資産(自社所有の運用資産)に振り替えられる。そんな物件が多数あった過去が、デベロッパーの記憶から消えるわけがない。