米国人経営者ジェイコブ・ロスマン氏(49)が友人や家族と協力し、中国で製造業のビジネスを築き上げるまでに20年を要した。だが同氏は、いま自分の顧客たちはバーベキュー用品やキッチン製品の一部を別の場所で作ってほしいと望んでいると話す。それが一筋縄ではいかないことは自分で分かっている。「当社の顧客で、当社の工場を中国以外に作ってほしい気持ちをにじませながら、われわれに圧力をかけない人はいない」。中国本土に六つの工場を持ち、米小売り大手や消費者ブランド(ウォルマートやバーベキューグリル製造のウェーバーなど)に製品を納めるベロング・エンタープライズを率いる共同最高経営責任者(CEO)のロスマン氏はそう話す。だが一方、「中国のような国はどこにもない」とも言う。「われわれは30年かけてスイス製の掛け時計のように機能するサプライチェーン(供給網)を構築した。これほど見事なものは他にない」
中国で起業した米国人、顧客から国外移転の圧力
米国人のロスマン氏は中国で製造業のビジネスを築き上げるまでに20年を要したが、米国の顧客企業からは中国国外への工場移転を望まれている
有料会員限定
あなたにおすすめ