ノルウェーの海岸都市ベルゲンの沖合約105キロの北海の海底で、掘削装置が泥と岩の層を突き進んでいる。この掘削は石油やガスの採掘を目的としたものではない。欧州各地の産業施設から排出される大量の温室効果ガスを貯蔵する場所を探しているのだ。  英石油大手シェルと仏トタルエナジーズ、ノルウェーのエネルギー開発大手エクイノール、そしてノルウェー政府は26億ドル(約3870億円)のジョイントベンチャー「オーロラ・プロジェクト」を立ち上げた。炭素回収を推進するシンクタンク、グローバルCCS研究所によれば、現在世界中で稼働中または開発中の約200の炭素回収プロジェクトの一つだ。