退職に向けて米国民は何十年もの間、株式と債券を組み合わせて投資するよう助言されてきた。
その考え方は単純なものだ。株式市場が好調であれば、ポートフォリオも好成績だった。そして株が不調な年なら、債券で損失を埋め合わせることができた。
これは最も基本的で信頼できる投資手法の一つで、何百万人もの米国民が使ってきたものだ。しかし今年はうまくいかない。
インフレ統計の下振れを好感して、S&P500種指数は先週、大幅に上昇したものの、年初来では約15%安と低迷している(配当込み)。一方、債券は数十年ぶりに弱気相場入りしている。運用資産の60%を米国株に、40%を10年物米国債に投資しているポートフォリオの価値は、今年これまで15%目減りした。投資調査・資産運用会社ルーソルド・グループの分析によると、6対4の割合での投資は今年、1937年以来最悪の運用成績となりそうだ。